卵巣腫瘍、卵巣のう腫

卵巣腫瘍、卵巣のう腫

検査を受けたら卵巣のう腫と言われた。 太ったわけではないのにお腹がぽっこりしてきた。 トイレが近い。 食欲不振や便秘がある。

欧米に比べると罹患率は低いですが、日本でも近年増加傾向にある、卵巣腫瘍。多くの種類があり、良性から悪性まで、その症状も影響も対応もさまざま。

妊娠に与える影響、原因など、考えていきたいと思います。

 

症状と原因は

一般に初期には自覚症状が乏しいため、妊婦検診や子宮がん検診、他疾患での受診時などに偶然発見されることが多い病気です。

腫瘍の組織成分と悪性の度合いにより、いくつかのグループに分類されますが、一般に卵巣のう腫といわれるものは卵巣腫瘍の一種で、卵巣表層上皮に類似した腫瘍細胞からなる漿液性腫瘍。全卵巣腫瘍の中で最も発生頻度が高く、約2/3を占めると言われています。

排卵が起こることにより、卵巣の表層上皮が陥入→修復を繰り返し、そこで遺伝子の変異や嚢胞が形成されることにより、腫瘍へと発展します。

中の液体の内容により、漿液性、粘液性、また、成熟嚢胞性奇形腫などに分けられます。性成熟期の大部分は良性。一部の卵巣腫瘍は性ホルモンを作ります。

 

リスク因子

食生活の欧米化により高脂肪食が増えたこと

排卵が多いこと (未産婦、排卵誘発剤の使用など)

卵巣子宮内膜症 (チョコレート嚢胞)

などが卵巣腫瘍のリスク因子となっていて、ライフスタイルが大きくかかわっていることが分かります。

放っておくと

ホルモン産生腫瘍の場合、ホルモン異常により、妊娠に影響を与えることがあります。

また、周囲との癒着が少ない卵巣良性腫瘍では、卵巣茎捻転を起こしやすい。突然の激しい下腹部痛により発症し、早期に適切な治療が行われない場合には捻転側の卵巣機能が失われる恐れがあります。明らかに良性であっても、大きさが6cmを超えるものは手術の対象となります。

腹腔内に腫瘍の種が散らばり、転移のリスクがあります。

 

東洋医学では

組織の修復が上手くいかないために腫瘍へと発展してしまうことを考えると、臓腑の働き「気(き)」の力の低下、

ホルモン分泌や生殖機能の低下現象である、「腎虚(じんきょ)」。

この辺りがポイントになってきます。

元気な卵巣で妊娠にのぞむためにも、卵巣の気血の巡りを整えましょう!

 

無症状でも注意が必要!

腫瘍が発生しても自覚症状に乏しく、偶然別の検査で発見されるか、もしくは進行してからの発見となってしまいます。良性の場合が多いとは言いますが、茎捻転を起こすと卵巣機能が失われてしまう場合もありますし、悪性の場合はすぐに手術等、処置が必要なことも。

妊娠希望でクリニックへ行けば、必ず子宮卵巣の検査がありますので、まずは一度クリニックを受診しましょう。

良性の場合、卵巣の状態をよく保っておけば消えてしまうこともありますので、巡りの良い体でいられるよう、状態をぜひ見直してみましょう。