子宮内膜症

子宮内膜症

歳を重ねるごとに月経痛が強くなってきた。 いつもお腹や骨盤が痛い。 性交痛、排便痛がある。 基礎体温が全体的に高い。 原因不明の不妊で悩んでいる。

社会的な背景もあり、増加してきていると言われている、子宮内膜症

なかなか手強い印象のある疾患ですが、妊娠に与える影響や改善策など、考えていきたいと思います。

原因と症状は

子宮腔内面以外(異所性)の場所で子宮内膜に似た組織が発生し、疼痛・不妊などを引き起こす疾患です。その発生機序については、子宮内膜移植説や体腔上皮化生説などの説がありますが、いまだ解明されていません。

性成熟期の女性に多く見られ、「月経を重ねるごとに次第に強くなる月経痛」は特徴的な症状です。慢性骨盤痛、性交痛、排便痛などもみられることがあります。

診断としては、内診・直腸診にて子宮可動性の制限や、エコー・MRIにて卵巣チョコレート嚢胞、腹腔鏡にて腹膜の病変、などを認めます。

早い初経や、月経周期の短縮、過長・過多月経、また妊娠・分娩回数が少ないことがリスク因子となります。

性成熟期の女性の10~15%、不妊症女性の25~50%にこの疾患が見られるとも。

放っておくと

慢性的な炎症反応により、徐々に深部の病変や癒着を形成します。卵管の閉塞やダグラス窩の閉塞など、不妊の直接の原因につながると考えられています。卵管采周囲が癒着すると、”ピックアップ障害”などになることも。また、慢性炎症は免疫異常をも引き起こすと言われています。

卵巣も病変をきたしますので、排卵障害や受精・着床障害なども…。

では東洋医学だと

血流が悪い「瘀血(おけつ)」、 余分な水分が滞る「痰湿(たんしつ)」、 ホルモン分泌や生殖機能の低下現象である「腎虚(じんきょ)」、 などが考えられます。

余計な組織が発生してしまうということは、滞りが多いということ。気血水の巡りの改善が重要です。

早めの妊娠が一番とは言いますが・・・

痛みに対する対処、癒着しないために内臓を、気血水を動かすこと、炎症を抑え免疫調整をすること、卵の質を上げること…など、この疾患に対しては、やるべきことがとにかくたくさんあります。解決していく順番も重要です。

早めに妊娠することが一番の治療、と、昔から言われてきたこの疾患。 ですが、焦りは禁物! 結果だけをすぐに求めても、根本の体質を改善していなければうまくはいきません。

病院では薬物治療も勧められますが、最近の調査研究によると、薬物治療をしても妊娠率の改善は無い、という結果も…。そうした背景もあり、海外では、体外受精を行うことが第一選択として推奨されている国もあります。

あなたの症状に合わせて、一つ一つしっかり対処、解決していくこと、=体質改善! が妊娠への近道になります!

現在の状態、これからどうしていくべきか、私たちと一緒に整理してみませんか。