高プロラクチン血症
高プロラクチン血症
月経が来ない。 排卵障害がある。 乳が漏れる。 イライラや肩こりがある。 基礎体温表がギザギザだ。
不妊症女性の30%に見られるとも言われるほどの、高プロラクチン血症。
体に必要なホルモンなのにどうして不妊につながるの? 薬を飲んで数値をコントロールするだけでOK?
謎も多い本疾患、妊娠に与える影響や改善策など、考えてみたいと思います。
プロラクチンの働き
プロラクチンは脳下垂体から分泌され、乳腺の発育促進、乳汁産生・分泌促進、性腺機能の抑制に関わるホルモンです。
普段はドパミンという神経伝達物質により抑制されているホルモンですが、妊娠、授乳によって分泌が増加します。授乳中のお母さんが月経が来ないのはこのホルモンの作用のためです。その他、分泌を増加させる要因は、睡眠やストレス、降圧薬や抗精神病薬、エストロゲン製剤等の薬剤など。
高プロラクチン血症はこのホルモンの分泌が過剰になった状態で、下垂体腫瘍や視床下部機能障害、薬剤によるものが多く、また20~30代の若い女性に多いとされています。
乳汁の漏出、無月経(軽症では黄体機能不全)、不妊、ときに頭痛や視野障害、血中PRL↑があるとき、高プロラクチン血症と診断されます。プロラクチン値は病的要因だけでなく、種々の生理的要因に影響を受け変動するため、夜間に値が上昇している潜在性の高プロラクチン血症なども。
(PRL正常値は通常15ng/ml以下とされています。)
プロラクチンが高いと分かったら
原因疾患がある場合は、その治療が基本となります。原因疾患がない場合は、プロラクチン分泌を抑制する薬(ドパミン作動薬)、排卵誘発剤などを使用し、妊娠を目指します。
昔は、流産とこの高プロラクチン血症が関係があると思われていました。ですが、関係性はまだ証明されていませんし、妊娠中から分泌が盛んになっていきますので、むしろ妊娠維持に必要なホルモンではないかと言われているのが現状です。
では東洋医学だと
分泌を増加させる要因の一つに、ストレスがありましたね。原因疾患の見当たらない方は、ストレスによる影響が大きいのでは?
自律神経ホルモンの調整、気の流れを主る「肝」の働きが乱れる 「肝鬱(かんうつ)」 が考えられます。
数値を下げるだけじゃない
プロラクチン分泌を抑制する薬(ドパミン作動薬)を飲むと、確かに数値は下がります。しかし、本当にそれだけで良いのでしょうか?
脳からたくさん分泌せざるを得ない状況が体の中にあるとしたら。むしろ私たちはそちらに注目します。
脳や体のストレスをケアすること。ホルモンが正常に分泌されている体でいること。
体質改善が何よりの近道です。