性器クラミジア感染症
性器クラミジア感染症
- 水っぽいおりものが多い
- 不正出血がある
- 下腹部が痛い
- 原因不明の不妊だ
- 子宮外妊娠をしてしまった
性感染症の中で最多の性器クラミジア感染症。自覚症状がないことが多く、感染が拡大していると言われています。不妊や異所性妊娠の原因、また流産や早産の原因になることも。対策について考えていきたいと思います。
原因と症状
クラミジア属のうち Chlamydia trachomatis (クラミジア トラコマティス)を病原体とする性感染症で、性交によって感染します。漿液性(水っぽい)のおりものが増える、不正出血や下腹部痛がみられることがありますが、症状が非常に軽いため自覚を認めないことが多く、若年層を中心に感染が拡大しており、特に女性に多いというデータが。
放置されやすいため、体内で徐々に感染が進行し、不妊をはじめとする様々な合併症をきたします。感染率は5%程度と、約20人に1人の割合で感染します。
感染と進行
子宮頸管炎に始まり、上行性に感染が進行していきます。子宮内膜炎や卵管炎、卵巣炎など。卵管炎が長期化すると不妊や異所性妊娠の原因となります。炎症が骨盤腹膜炎よりさらに上行し肝周囲に至ると、激しい上腹部痛の肝周囲炎をきたすことも。
卵管性の不妊に
卵管性の不妊を詳しくみていきますと、卵管内腔の上皮細胞がクラミジアによる炎症によって障害を受け、輸送機能が低下します。そのため、受精卵が子宮まで運ばれず、卵管内で着床してしまう、卵管妊娠(異所性妊娠)
繰り返す炎症により卵管内腔や卵管周囲に癒着が生じ、卵管狭窄や卵管閉塞などの通過障害が生じ、受精不可
自覚症状が無く進行してしまうので、大変恐ろしいです。卵管妊娠をしてしまった場合、うまく流れてくれれば良いですが、出てこない時には卵管を切除することも少なくありません。そうすると自然妊娠の確率が減ることにもつながります…。
早産や産道感染も
妊婦さんが感染している場合、産道感染により赤ちゃんに感染し、新生児肺炎や新生児結膜炎をきたすことや、まれに絨毛膜羊膜炎を誘発し、流産・早産の原因になることがあります。
検査と治療
血液、もしくは腟からの分泌液を採取して検査をします。 陽性の場合は抗菌薬(主に内服薬)を服用します。
東洋医学では
感染症は外邪、炎症は熱です。癒着が出来てしまった場合は瘀血や痰湿などの滞りが発生しやすくなります。100%の感染率ではないということは、外邪の侵入を許してしまう状態、つまり免疫力の低下、が感染の背景にあることも…。やはり日頃から体を元気な状態に保っておくことが重要。予防は何より重要です。
予防と検査を
まずは予防が第一! 信頼できる人、特定の人以外と性交渉を持たない、コンドームを使用するといった予防は非常に効果的。
しかし、特にクラミジアは感染に気付かず無治療のまま性交を行うことが多いために、感染患者が多いため、知らないうちに感染していた、なんてことも。
妊娠したいと思ったら、まずは検査をしてみて下さい。 また、結婚前、妊娠希望以前であっても、今後くる妊娠希望の時に備えて、予防や定期的な検査をしておきたいですね。